親孝行はどれだけやっても足りません。

親孝行はどれだけやっても足りません。


ずっと前から母にせがまれていた雲仙みかどホテルで地方回りの劇団の公演を見る為に、1泊2日でホテルを予約し出掛けました。出発前日になり、急にその日の公演が中止になる旨の連絡が入ったのですが、予約している事もあり、妹と母と3人で公演は諦めて行く事にしました。

テレビCMではよく見ていたのですが、ホテル中に
置かれている原木は目が点になる程の迫力でした。


ずーっと前にホテルに行った友人から夜のバイキングはカニとか、刺身、肉等はあっという間になくなるという話を聞いていたので余り期待もせず、レストランに入りました。ところが期待を裏切る料理の数の多さ、質の高さに本当に驚いてしまいました。
カニはプリップリの身がびっしり詰まった2種類が常に切れる事なく置かれていました。何度か来られた方と思いますが、カニをお盆に山の様に積み上げ、お酒と共に必死に食べておられました。肉も柔らかく、お寿司も、いくら、ウニ、マグロ等、高級なネタばかりで友人が行った頃とは随分変わったのだろうと感じました。
デザート、スイーツもばっちりで大満足で部屋に帰ったのですが、母はどうしても演劇が締め切らないらしく「翌日の昼の部を見て帰ろう」と言い出しました。ホテルに交渉した所、別途1人1080円払えば、見ても良いとの事です。予定を変更し、ホテルの近くで時間を潰す事にしたのですが、母は「昨日見れなかったのはホテルの都合だから、今日お金を取るのはおかしくないかい」と納得し切れない様子です。
元々演劇の為に行く事にした旅行だったので“残念”な上にお金まで別途請求されたのが納得出来なかったのでしょう。
500円の靴下干しを2回も修理して使う母ですから、3人分の3240円はついて行きたい程無念だったに違いありません。それなのに、旅行代は3人分全部自分が出すと言って聞かないのです。
でも劇が始まれば、そんな事も忘れたかの様に見入っていました。
その日は
「市川ひと丸劇団」
のお芝居でしたが、流石プロです。
瞬く間に引き込まれて、笑いと涙の中、満たされてホテルを後にしました。
久しぶりの親子の旅は、杖が手放せなかったり、階段や登り坂は手を引いたり、後ろから押したりと、母の老化を再認識する旅にもなり、もっと親孝行を急がないと後悔するぞと自分に言い聞かせています。
旅行中、福島の小松会長が
「母が元気な内に家族がもう一度
 一緒に暮らせる家を建てて安心させてやりたい」

と言われた言葉を何度も思い出し、切なくなりました。

今日も読んで頂いてありがとうございました。

感謝