波乱万丈の通販人生 -その21-

H社発泡酒は絶好調を迎えようとする中、販売不能状態に陥りました。その日からH社社長は「車のトランクに縄を入れていました」と後々聞いたのですが、私はそんな事を言ってはいられませんでした。
運命の日、熊本へ帰りながら、そして、その夜、私の気持ちは“どうしよう”から“何をすれば良いか”に変わって行きました。
そして、お酒を飲まれる方の為の健康食品を作りたいという所にたどり着いたのです。
「お酒が大好きなお客様にいつまでも健康で美味しいお酒を飲み続けて頂きたい。お酒を売る者の責任として最高の健康食品を作りたい。原料、産地、配合率、技術全てに時間と研究を繰り返した結果出来上がった健康食品です」
「試作とモニターを繰り返し、使った原料12種類。全ての人が満足する迄、諦めなかったから出来上がった究極のお酒好きの為の健康食品です。」

これが私が考え抜いた末に辿り着いた新商品でした。
私は再度H社に向い「この健康食品を作らせて下さい」と、H社社長に頼み込みました。苦笑いの中、なす術もない社長さんはOKを出して下さいました。私は翌日、東京の健食の受託会社を訪問し、少なくとも3ヶ月は欲しいと言われる担当者に1ヶ月以内に製品化して欲しいと頼み込んだのです。正直、3ヶ月も待つ余裕はどこにもありませんでした。
そして、このうこんやもろみ酢を中心としたお酒飲みの為の究極の健康食品は1ヶ月の内に商品化され、販売スタートとなりました。


 私が考え出した健康食品は短期間に考えて考えて出来上がったものでしたが、飲まれる方に大好評を頂いたのです。この商品はH社を窮地から救い出す事に成功しました。どん詰まりになっても諦めない追い詰められても策はあると自ら悟ったこの健食はその後の私の判断基準を大きく変えてくれました