大嶌屋(おおしまや)は1991年、熊本県で創業し、食品通販を手掛ける企業として2022年に創立30周年を迎えました。
今でこそ契約農家さんの数も380軒を超え、従業員数も子会社を含めると150名に達するなど地元では名の知れた企業に成長することができましたが、1991年、創業者の大嶌法子(おおしま・のりこ)が大嶌屋の前身である有限会社優美堂(ゆうびどう)を立ち上げた当時、従業員数は1名、社屋は6畳1間の自宅の一室に、デスク2台と電話2台からのスタートでした。
通信販売という言葉もろくに知られてなかった30年前にそのノウハウを確立し、周囲を驚かせながらさまざまな「業界初」にチャレンジしてきた大嶌屋。それは創業者・大嶌法子のパワフルで恐れを知らぬチャレンジ精神が切り開いてきた道でした。
1.輸入発泡酒の通販で、ラジオショッピング中の試飲の実施
2.馬 刺し1人前の真空冷凍販売開始
3.フルーツ農家直送システムの確立
4.FAX広告の開始
いずれも業界の常識を覆す「日本初」であり、地元・熊本県内で農業・畜産業などの第一次産業に携わる皆さんと共に手探りで導き出してきたシステムと言えます。
そんな偉業を成し遂げた大嶌法子は、2021年12月、惜しまれながらこの世を去りました。私は先代であり母でもある大嶌法子の後を引き継ぎ、2021年に代表取締役に就任。「生産者の思いを届ける」という使命を胸に、これから大嶌屋の第二創業期を担ってまいります。この節目のタイミングに、大嶌屋の軌跡を一冊にまとめ、改めて大嶌屋の歩みと思いを皆さんに知っていただきたいと願い、本書執筆に踏み切りました。
本書では、次の5つの経営理念に沿って、大嶌屋の歴史をご紹介していきます。