60年間の人生で一番ツイていなかった日


60年間の人生で一番ツイていなかった日


私がまだ20代の遠き昔の出来事です。
友達が大学病院に入院しており、私は病院から3~4km離れた団地で暮らしておりました。御見舞いに行く為に隣の奥さんに自転車を借り、颯爽と出掛けました。
団地を出て100m位の所にガソリンスタンドがあり、丁度朝礼をされていました。店長さんが道路に背を向け、従業員7〜8人は、道路向きです。ほぼ全員が見ている前で私は石に乗り上げ、思いっきり倒れてしまいました。手を擦り剥き、膝もしこたま打ち付けましたが、私は恥ずかしさの方が強く、パッと立ち上がり、その場から消えてなくなるのに必死でした。
ところが、眼鏡が見つからないのです。這いつくばって、もたもたしている私に全員近付いて来て、探すのを手伝って頂くはめになりました。恥ずかしさ倍増です。
お礼もそこそこに御見舞いに向い、友達に話して笑われ、「雲行きが怪しいから自転車なら早く帰った方が良いよ。」の言葉に、私は慌てて帰る事にしました。
案の定、途中から大雨になってしまいました。そしてあのガソリンスタンドを通り掛かった時です。そのガソリンスタンドは凄く礼儀正しいお店で、お客様を従業員全員が整列して見送られるのですが、正にその時、全員が出て行かれるお客様を見送られていました。道に向かって……。朝、自転車で転んだ女が、今度は濡れ鼠の状態で走って行くその様は、きっと笑いを誘った事でしょう。でもこれだけでは終わりませんでした。
部屋に帰りシャワーを浴びて、柱を背もたれに本を読んでいる時です。窓の外は雷と雨が続いていました。ふっと顔を外に向けたその時です。大きな水たまりに雷が落ちたのです。その音たるや凄まじいもので、私は本を投げ出し、頭を柱に思い切りぶつけてしまいました。

雷が、目の前に落ちたのを見たのはあれっきりです。そして、これだけツイてない一日も、その後経験がありません。今日は、つまらない話で申し訳ありませんでした。
大嶌屋のトイレ、洗面台にはいつも花が絶える事がありません。お家の庭から毎日の様に切り花を持参し、可愛く飾ってくれる従業員のAさん。いつもありがとうございます。

感謝