スタートはクレームとの戦い… 。世の中そう甘くなかった。


スタートはクレームとの戦い…。
世の中そう甘くなかった。


北海道で流したラジオショッピングが大当りし、馬刺の新規お客様開拓が下火になっていた現状が、『当面乗り切れる!!』と私は有頂天になっていました。
通販にとって新しいお客様集めは、何より重要な仕事です。集客を取れ無くして通販の成功は無いと言っても過言ではありません。
20万円のラジオショッピング料金で200万円もの売上を上げたみかんに驚く一方で、知らず知らず笑顔がこぼれてしまう自分が居ました。何故、どのスーパー、八百屋さんでも山積みされている、珍しくもないみかんがこんなに売れるのだろう…?その理由を考える余裕もありませんでした。売れると分かれば突っ走る、私の悪いクセです。
農家さんの手間が省ける様「サイズ分けせず大玉小玉混合で箱詰めしています」「少々の傷は個性と思って下さい。味は保証付きです。」と前もってお客様に了解を頂き、農家さんにもその旨伝えました。所が商品の発送から2〜3日過ぎると、大変な数のクレームが舞い込んで来ました。送られるみかんを私達は見ていませんでした。そして基準も決めていなかったのです。
「こんなクズみたいいなみかんを送るな」「届いたらすでに腐ってベチョベチョ」「全く甘くない」。
『こんなに高く仕入れているのに農家さんは何でこんなもの入れるんだろう…。』と私は怒りと情け無さで一杯になりました。
この先何年も掛けてこのクレームを減らす為の戦いの始まりでした。何で只のみかんがこんなに売れるのかに、私は気付きました。
お客様は農家さんから直接届けてくれるみかんは、特別なみかんと思われていたのです。
新鮮で、甘くて、きれいで…。その期待を私達はことごとく裏切っており、お客様に目が行って居なかった自分に猛反省する事になりました。スーパーのみかんとは違うみかんを待っておられたのです。
それはお客様に「ウソつき」と言われて初めて気付いた事でした。世の中そんなに甘くありませんよね。
でもこの時私はもう駄目かもしれないとは、一度も思いませんでした。お客様の期待を裏切らない商品を届ける事に全力を尽くそうと決めたのです。

さぁ、いよいよ早生みかんが始まりました。この時期の甘酸っぱいみかんが私は大好きです。心配した台風も見事に熊本を避けて行ってくれました。              感謝