波乱万丈の通販人生 -その13-


 関西まで足を延ばしスタートしたD社のコンサルティング初日の事は20年近く経った今でも忘れることが出来ません。
 初対面の自己紹介から、私がD社に呼ばれた理由、今日から取り組んでいく内容等に加え、今のままでは通販事業を続ける事が難しいこと。また、社員の協力がなければ、再建出来ない事など切々と訴えました。しかし、私の気持ちは途中からどんどん沈んでいきました。
 10名のオペレーターは、一人として私を見ていないのです。下を向いている人、外に目を向けている人、目配せし合っている人……。
それは話し始めてから終わるまでずっと変わることはありませんでした。
「田舎のおばさんが何だるい事言ってるの」とでも言いたげな空気の中で気を取り直して、一番ネックになっている10人のオペレーターのトーク指導に入る事になりました。
 基礎化粧品は洗顔から栄養クリームまで6点のセット商品です。
 ご存知の様に営業はセット商品をトータルでお推めして、減らしながら販売するのが基本です。D社の場合、オペレーターは一番安価な洗顔や、ローションを単品で販売していました。何故トータル販売なのかからの説明です。この時私は更に追い打ちをかけて打ちのめされる事になりました。
 私のコンサルは1日行って16万円です。私は、自分が頂く料金を即日でコンサル先には取り戻してもらいたいと常々思っていました。D社は、週2日プラス交通費にホテル代までかかります。
 オペレーターの反発という大きな壁の前で、3回目のコンサルで私は全員解雇のお願いを社長に相談することになりました。どうにかして1日も早く結果を出さなければという強い思いと、これはもうダメだ、と諦めるに至ったオペレーターの言葉は次回でご紹介します。
11月29日、大嶌屋の選果場で社員手作りの忘年会を行いました。経費を浮かせた分で「励まし屋」さんという歌手をお呼びしての大盛り上がりの忘年会でした。次回は励まし屋さんとの出会いについてお話しします。

感謝