波乱万丈の通販人生 その11

 コンサルティングのA社、B社をこれまで紹介して参りましたが、3つ目は通販会社ではなく、建設会社さんからの依頼でした。全く通販とは関係のない業種ですが、、このC社からは事務員の皆さんの電話対応の指導をしてもらえないだろうかというお話しを頂きました。何でも社長さんが当社に電話を掛けられた際、受付の感じがとても良いと思われ、何かと頭を痛めていた自社の受付の人達を変えたいと思われたとの事でした。
 早速、様子を見にC社へ伺いました。物の1時間もしない内にこれは本当に社長さんはお困りだろうなと気の毒になってしまいました。受付と言っても専任者が決められている訳ではなく、事務作業をやりながら、電話が鳴ったら誰かが取るという感じでした。
①コールが最高10回鳴っても取らない。
②第一声が「もしもし○○株式会社です。」と言って受ける。
③仕事の手を止めずに、ながら受けをしているので集中出来ていない。
④心のこもった笑顔の対応からは程遠い状態。
⑤自分の名前も名乗っていない。
C社の社長さんも、もっと愛想よく話してもらいたい。電話が鳴ったらすぐ取って欲しい等思ってはいても、何をどう教えれば良いか解らないとの事。また、何か言っても素直に「はい」と聞いてくれないから諦めていましたと、悩みは深刻でした。早速1ヶ月間の研修をスタートし1日2時間、交代で研修を徹底して行いました。一通り研修が終わり、2週間後に様子を見に行った時の社長の言葉です。
 「この1週間で何人もの取引先の社長さんから『事務員さんを総入れ替えしたのですか?近頃とても感じがいい人が何人もいますね』と言われるんですよ。皆悪い所は教えてくれないけど、ほめる所は言いやすいんですね」と言われました。「1ヶ月間で、ここ迄変えられるとは信じられません。神業ですね」と大変喜んで頂きました。C社は私にとっては朝めし前の仕事でしたが、やり方が解らないという事は本当に気の毒な事だとつくづく思いました。
全ての会社を悩ます人材育成の難しさ。コンサルティングは期限が決められ、時間にしては高い料金を頂きます。指導する事で見る見る上達する人、しない人は確かにいます。でもこの人は1ヶ月で無理でしたは通りません。死に物狂いで育てなければお金は頂けないのです。私は自らの会社社長をしつつ、他社では社長さんの下で従業員として10年以上2足のわらじを履いて歩いていました。
この経験は、その後の通販人生で大きな財産となりました。
 大嶌屋のトイレ・洗面所には、社員さんが持って来てくれる季節の花々が枯れる事なくいつも飾られています。花を楽しむ為、洗面台の電気は1日中つけたままです。トイレに行く度に心暖まり、感謝感謝の毎日です。